AiCuty キャラクターシート制作手順

AiCuty のキャラクターシートを画像生成AIで作るときの、納品区分・フォーマット・検品手順をまとめたものです。 Marsha Arancia(No.6)の制作で確立した手順を、他メンバーにも適用できる形で記録しています。


1. 納品区分は Chibi / Standard / Photo の3系統

同じキャラクターでも、用途によって作り分けます。それぞれ別物なので、混ぜて納品しません。

区分 内容 主な用途
Chibi 2〜3頭身のちびキャラ版シート ステッカー、SNS、LP のキーヴィジュアル
Standard 等身大のデザインシート(3面+表情+小物+パレット) キャラクター設定の正本。生成AIのリファレンス
Photo 実写系の宣材写真・キャスティングシート 記事・広報、実写コラボ検討

このほか、シートではない単体素材として KeyVisual(全身1枚絵)、Cover(記事カバー)があります。

ファイル名は <CharacterName>-<区分>[-<派生>].png に揃えます。

MarshaArancia-Chibi.png
MarshaArancia-Standard.png
MarshaArancia-Standard-Expression-Cheeks.png
MarshaArancia-Photo-Headshot.png
MarshaArancia-KeyVisual.png

2. Standard シートの必須フォーマット

勝手に省略しない。 文字が崩れるのを嫌ってラベルを消すのはフォーマット違反です。


3. 手順

3.1 承認済みシートを参照画像にして生成する

新規に描き起こすのではなく、承認済みの公式シートを参照画像として渡し、レイアウトと同一性を再現させます。 プロンプトには「参照画像のレイアウト・ラベル・キャラクターの外見を厳密に再現すること」を明記します。

キャラクター固有の外しやすい要素は必ず明示します。Marsha の場合は褐色肌がそれで、 指定しないと生成のたびに明るい肌へ転びます。

WARM MEDIUM-BROWN GOLDEN SKIN TONE (tan skin). Essential in EVERY panel.
Never pale or white skin.

3.2 生成後、必ず拡大して検品する

「たぶん大丈夫」で通さない。 破綻しやすい箇所は決まっているので、順に潰します。

対象 倍率 見るところ
手・指 5〜10倍 指の本数(4本+親指=5本)、関節、爪
小物 3〜4倍 設定どおりの形状か、部品が省略されていないか
ラベル・タイトル 3倍 綴りが正しいか
全パネル 等倍 同一人物・同一衣装・同一配色になっているか

検品用の切り出しはスクリプトで機械的に行い、必ず目視します。

from PIL import Image
img = Image.open("sheet.png")
c = img.crop((x0, y0, x1, y1))
c.resize((c.width*5, c.height*5), Image.LANCZOS).save("review_hand.png")

3.3 駄目なら作り直す。隠して回避しない

破綻した部位を物や画角で隠して逃げると、その部位の設定が資料に残りません。 キャラクターシートは全部が仕様なので、隠したら資料として成立しません。作り直します。

ただし、衣装設定として元々隠れているのは別です。Marsha はオーバーサイズジャケットの 長い袖が手を覆うのが公式仕様なので、全身3面ではそのまま袖で覆います。 逃げなのか仕様なのかは、承認済みの公式シートを見れば分かります。


4. 手をどう資料化するか

全身ビューでは手が小さすぎて(1536x1024 のシート上で 40px 程度)、指を正しく描く解像度がありません。 かといって袖で覆うだけでは手の設定が残りません。

表情パネルのスケールで手を描かせます。 顔と同じ大きさなら指は正しく描けます。

Marsha では「両手を頬にあて、美味しそうにしている表情」を1枚生成し、 表情パネルと手のリファレンスを兼用させました。これをシートの EXPRESSIONS に組み込みます。

プロンプトの要点は「指をまとめて描かせない」ことです。

On EACH hand, all FOUR fingers must be drawn slightly fanned apart with a visible
gap between them, so that every individual finger and its own rounded fingernail is
separately readable — do not let the fingers merge into a single mass.
The THUMB is clearly separate, curving down along the jawline.

指を密着させると輪郭が融合し、本数が読めなくなります(実際に一度これで没にしました)。


5. 正確さが要る文字は、後段で合成する

HEXコードのように値の正しさが要る文字は、生成AIに書かせません。 生成後にスウォッチの実ピクセルを採取し、プログラムで描き込みます。こうすると値が実際の色と必ず一致し、 文字も崩れません。

# スウォッチ中央の平均色を採取して HEX を描き込む
c = avg_color(img, x0, x1, y0, y1)
draw.text(pos, f"#{c[0]:02X}{c[1]:02X}{c[2]:02X}", font=font, fill=(40,40,40))

合成時は対象領域の座標を実測してから描画します。目分量で白塗りすると、 見出しや罫線を削ってしまいます(実際にやりました)。

パネルを貼り込むときは、近白背景をマスクして輪郭だけを合成します。 矩形のまま貼るとシート背景との色差で継ぎ目が出ます。


6. 記録する

生成AIの出力は同じ条件でも再現しません(gpt-image-2 に seed パラメータはありません)。 再現性は 「プロンプト全文 + 参照画像 + 採用した出力」の三点を固定して担保します。

実例: MarshaArancia/GENERATION-LOG.md


7. 実写系(Photo)を作るときの注意

実写版のキャラクターは実在しない架空の人物です。 人物写真をムードリファレンスに使う場合も、実在の人物を再現・特定してはなりません。 プロンプトにこの制約を明記します。

Create a wholly original adult face. Do not copy or identify any real person.
No celebrity likeness.

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